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ドッグビヘイビアリストとは
Dog Behaviourist
動物福祉の向上を目指して

癒し、癒される関係づくりを。

 ドッグビヘイビアリストとは元来「犬の行動学者」という意味です。また、行動変容技法として行動分析学(ビヘイビアリズム)を専門とすることから、犬の行動心理カウンセラーでもあります。これを人間の世界で例えるのなら「臨床心理士」が最も近いでしょう。ドッグビヘイビアリストは犬の行動学を基軸とし、認知行動学、心理学などの学説を元に犬の潜在的なニーズを読み取り、犬のニーズを満たしながら心因性の問題に対処することができる専門家です。また、こうした学説やドッグトレーナーとしての経験を元に、犬のしつけ方の指導やドッグトレーニングを行うスペシャリストでもあります。

 常に最新の科学知識を有し、高い技術を用いて犬の心を安定させ、飼い主と犬との間の絆(Human-animal-bond)を強化することで、双方のクオリティ・オブ・ライフ向上のお手伝いをするのがドッグビヘイビアリストです。


 ドッグビヘイビアリストは常に動物福祉の向上に主眼を置き、犬が人との共生の中で心身ともに健康であることを目指します。こうした考え方を元に、飼い主に向けて犬と人がより幸せな暮らしができるようにアドバイスを行ったり、問題行動を持つ犬に行動リハビリテーションを行います。


 専門領域の一つには、問題行動の修正・改善・変容があります。問題行動の原因が心因性とされる場合、その根源を突き止めて改善プログラムを実施します。主には行動療法や認知行動療法を実施して観察を繰り返しながら犬の行動を安定させます。症状によっては獣医師と連携をして薬物療法を併用することもあります。行動療法で用いられる薬物療法は行動療法の補助として機能しますが、問題行動の治療は薬物療法だけでは機能しません。このため、ドッグビヘイビアリストは行動療法の専門家である必要もあります。


 犬の問題行動が改善してきたら、ドッグビヘイビアリストは理念に基づいてドッグトレーニングを行います。飼い主と犬との絆を強めるために、飼い主にもトレーニングの方法をアドバイスします。このため、ドッグビヘイビアリストはドッグトレーナーとしての能力も必要とされています。

◯ドッグビヘイビアリストがトレーニングの際に使用するツールについて

 ドッグビヘイビアリストは心理学に深く精通していることから、科学的根拠を基づいて以下の方法は取りません。

 ・チョークチェーンを使用してのトレーニング

 ・プロングカラー(スパイクカラー・ピンチカラー)を使用してのトレーニング

 ・E-カラー(ショックカラー・電気ショック首輪)を使用してのトレーニング

 ・スリップリードを使用してのトレーニング

 ・体罰を使用してのトレーニング

 ・強制的に従わせるトレーニング

 ・犬を無理矢理に大勢の犬と一緒に歩かせるトレーニング

 上記のトレーニングは非科学的であるだけでなく、犬に課題なストレスを与えるために、一切行うことはありません。また、当協会の認定ドッグトレーナー、ドッグビヘイビアリストに於いては、上記の事項は禁止事項となっています。

 

動物福祉とはなにか。-Animal Welfare-


 動物福祉とは、動物を苦痛から解放し、行動学的・心理学的要求が満たされることで心身ともに健康・幸福であることを実現する考えのことを言います。つまり、「可愛がる」「飼ってあげる」「感情的な愛護」などの行為は、動物福祉とは関係のないものです。

 動物福祉のスコアが高い状態とは、動物の心も体も健やかであり、動物が動物らしく生きていける状態のことを指します。

 また、動物福祉という言葉の響きから、感情的な『愛護』や医療などの社会保障と誤解されることがありますが、これらは動物福祉という意義には関係のないものです。


 家畜動物に於ける動物福祉の最低条件として今でも多く採用されているのがブランベルの5つの権利です。1960年にイギリスのブランベル委員会が発表したこのブランベルの5つの権利が動物福祉の概念として広く知られています。

 日本ドッグビヘイビアリスト協会では、この5つ権利を推奨しています。

 -Brambell's Five Freedoms-ブランベルの5つの権利

  1)Freedom from Disease

  疫病にならないことを保障する

  2)Freedom from Hunger and Thirst

  空腹や喉の渇き、栄養不良に陥らないことを保障する

  3)Freedom from excess Heat and Cold

  極端な暑さや寒さの不快にならないような環境を保障する

  4)Freedom of Movement

  物理的な動きの自由を保障する

  5)Freedom to act our most natural behavior

  自然な行動を自由に表現できることを保障する


 ドッグビヘイビアリストは、犬の動物行動学的、心理学的なニーズを満たし、心身ともに健康・幸福であることを最優先します。犬は飼い主を選べません。家庭で暮らす犬が、十分に幸せを感じれる事が最も重要です。そして犬が幸福になるためには、我々ヒトの存在も欠かす事ができません。

 犬に一方的に癒されるという関係から、『犬と飼い主が共に癒し、癒されるという関係を築いていく』。こうした関係作りのお手伝いをするのが、ドッグビヘイビアリストの責務であります。


 ドッグビヘイビアリストは、こうした考えを元に我々人間がどのように犬と接するのが良いか、家庭で暮らす犬に過酷過ぎる訓練を施していないか、などを十分に考慮してドッグトレーニングや行動リハビリテーションを行う専門家です。

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JDBA行動規範

JDBAドッグトレーナー行動規範
・動物を不安や恐怖、苦痛から解放せよ
・常に専門家として上品な行動に努めよ
・常に相手を尊重することを怠らない
・常に勉強、研究を怠らない
・主観に頼らず、自分で調べることを怠らない
・自分のスキルに合わない仕事は引き受けない
・誰に対しても高圧的な態度を取らず、友好的な態度を心がけること
・常に飼い主と犬に気持ちを寄り添わせ、安心感を与えること
・訓練及び行動修正に際し、以下のツールの使用を禁止する
 ・チョークチェーン(チェーンカラー)
 ・プロングカラー(スパイクカラー・ピンチカラー)
 ・ショックカラー(電気ショックなどの嫌悪刺激を与える物)
 ・スリップリード
 ※マーチンゲールカラー(ハーフチョーク)においては、長さ調整ができる物である必要があり、調節で首輪が締まった時に通常の首輪の締幅になっていなければならない。
 認定ドッグトレーナーが、これらのツールを故意に用いた場合、資格の更新を認めない。場合によっては資格は消失する。

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